Akiyo Inoko Hewett - 法律家/ 国際結婚

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斎人の役に立ちたい、これに尽きます。

 
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Akiyo Inoko Hewett - 法律家/ 国際結婚

アラバマ在住の法律家、Akiyoさん。弁護士試験をストレートで合格し、出産のタイミングで夫の住むアラバマ州に移住。 とにかく人の役に立ちたいと語る彼女には、”弁護士として国際結婚で悩む女性の役に立ちたい””先住民族の権利を守る法律家としてやっていきたい”といった具体的な目標がある。 家庭と仕事との両立の間で時には悩みながらも決してやりたいことはあきらめない、そんな力強い彼女の生き方に迫る。


対談者:Dragon

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ガーナで活躍する「挑戦者-原ゆかりhttp://tamariba.jp/lives/1286.html」からの紹介。国際結婚、出産と新しい土地で怒濤の日々を過ごしながらも、自分自身の夢を追い続ける生き方は、かっこいい女性そのもの。弁護士の資格を持ち、国際結婚の経験のある彼女だからこそできる、国際離婚で悩む日本人女性の救済。ぜひがんばってほしい。

 

26歳北海道釧路市で司法修習、修了後、渡米。

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― どうしてアメリカに来ようと思ったんですか?
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結婚してしばらくは別居婚をしていたのですが、

子どもを授かったので、そのタイミングでアラバマに来ました。

渡米直前までは、司法修習といって、

裁判所や検察庁や弁護士事務所で研修を受けていました。

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― 弁護士になって、まさにこれからという時だったと思いますが、アメリカに来る迷いはなかったんですか?
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もちろんありました。

今このタイミングでいいのかなって。

 

実際に来てからも、

子育ての時間と自分の時間との

バランスが上手にとれなくて

悩んだこともありました。

 

若い頃から結婚して子どもが欲しいと

思っていたのですが、

たぶん実際の子育てというものについて

深く考えていなかったんだと思います。

 

今まではローススクールにしても、司法試験にしても、

自分で決めた目標を達成しながら、

思い描いたような自分でいられたんだと思います。

 

でもここに来て、家事と子育てだけの日々で、

今の自分に納得できない自分がいるというか、

なんとかして現状を変えなきゃいけない、そういう風に

思ったのも初めてだったので戸惑いました。

 

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― 一人で生きることって、かっこよくみえて実はすごく楽な生き方っだりしますよね。どうやって乗り越えたんですか?
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一通り落ち込んだ後は、

ここでやれることを最大限やってみようと

思うようになりました。

このままじゃだめだと思う気持ちは、

がんばって自分を変えていくモチベーションにもなるから、

この気持ちをうまく利用しようと思って。

それからは、子供を保育園に預けて日英の翻訳をしたり、

週2回は、朝6時半に起きて、車で英語の学校へ

通うようにしたりと、自分の時間をとるようにしています。

1日5時間は自分のやりたいことをする時間をつくろうと。

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― 女性の中にはもう自分の仕事をあきらめて家事に専念するって人も多いじゃないですか。あきよさんはそうはならなかったんですね
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そうですね。

子供が生まれたらずっと一緒にいたくて

仕事をしたい気持ちがなくなるかもしれないと

思っていたんですけど、

逆に仕事がしたくなりました。

 

今はせっかくアメリカに来たので、

この機会を活かして、

ここでできることをしようと思っています。

 

子供がいても、自分の人生の目標を定めて、挑戦し続けていたいんです。

もしアメリカでベストを尽くしてみても道が開けなかったら、

その時は日本に帰ってもいいかなと思っています。

それは夫もわかってくれています。

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― なんとしてでもやりたことは続けたいんですね。
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やっぱり母親の影響が大きいかもしれません。

 

私の母親は医者で、

すごく仕事をがんばっていたんです。

朝私が起きたら、

まだ徹夜で論文を書いていたりと

子供の目から見てもかなり働いていました。

 

でも子供に愛情を注ぐ時間は

しっかりとってくれていて

寂しい思いをしたことはありません。

 

そういう母親がかっこよかったし、

自慢でもありました。

 

なので、子供のために自分を犠牲にするって

考え方がどうもしっくりこないというか、

私が好きなことに打ち込んでハッピーなら、

子供もハッピーでいてくれるんじゃないかなって

私は思うんです。

25歳ロースクール修了。司法試験合格

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― どうして弁護士になろうと思ったんですか?
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父親が弁護士で、クライアントの方から

感謝されている姿を小さい頃から見ていました。

感謝される職業っていいなあって思って。

 

実際に去年、弁護士事務所で研修をして、

初めは顔が強ばっていた人も

弁護士さんに相談をして、だんだん表情が和らいで、

安心して帰っていくのを見て、

やはり、すごく素敵な仕事だなと思いました。

 

元々人に喜んでもらうことが好きで

弱いものを助ける、じゃないですけど、

そういうことをしたいと思っていたんです。

 

「先住民族保護」のNGOに参加しているのも

そういうところとつながっているの

かもしれません。

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― 今回も「先住民族保護」問題でニューヨークの国連に参加されてますもんね。どういう経緯でそういうことを始められたんですか?
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大学時代に模擬国連という

国連の真似事のサークルをやっていました。

各自、国が割り振られて、一人で一国の大使を演じるんです。

この模擬国連は世界中にあって、

実際に国連で行われる世界大会もあります。

 

私が大学4年生のときに、先住民族の権利の会議で、

プレスを担当したんです。

 

それで、会議の結果の講評を

その分野の専門家の方にお願いしたのですが、

その時にお会いしたのが先住民族の権利保護の分野で

30年ほど活動しているNGOの代表の方です。

 

お話をしているうちに、

うちのNGOの活動に興味ある?って

誘ってくださって、

それから、参加させてもらうことになりました。

 

実働人数は10人程度なのですが、

国連の認定を受けている団体で、

今回ニューヨークの国連の会議に参加できたのも

その団体から声をかけてもらった

おかげなんです。

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― 先住民族については日本にいてもそれほど話題に上がることがなかったので、さっぱりわからないです。日本で言うと、アイヌ民族とかですか。
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日本には、先住民族が2グループあって、

アイヌ民族と琉球民族がいます。

どちらの民族も、日本という国ができるときに、

支配されてしまった民族です。

 

開拓者に奪われてしまった土地は、

もともとアイヌや琉球の民族のものなので、

その土地に対する権利をどう回復するか、

日本の同化政策によって衰退してしまった

言語や文化の復興をどう促進していくかなどなど、

取り組むべき課題がたくさんあるんです。

 

2007年に、国連総会で、

先住民族権利宣言という文書が採択され、

日本政府も賛成しました。

今は、この権利宣言にも書いてある

先住民族の自己決定権や土地権、

言語や文化に対する権利を日本で実現できるよう、

他国の例も参考にしながら、取り組んでいます。

難しい話になってしまいましたが、

こんなことをやっています。

 

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― 先住民族の問題に取り組んで、あきよさん自身が変わったところはありますか。
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私は、先住民族の活動に携わるまで日本人ってことに

何の疑いもなかったんですけど、

アイヌ民族や琉球民族の方が、

「私は大和民族でも和人でもない」

って言ってるのを聞いて、

あ、自分は日本人の中の大和民族なんだって気付いて、

改めて自分のアイデンティティを

見直すきっかけになりました。

 

日本国籍を持っている人の中にも、

大和民族の他に、アイヌ民族、琉球民族、コリアンなど

いろんな民族がいるんですよね。

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― なるほど。国連の会議はどんなことをやるんですか。
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今回の国連には世界中の先住民族の

方達が来ています。

アフリカのマサイ、ネイティブアメリカン、アボリジニー、マオリなど

本当に世界中からです。

 

先住民族が一同に介して、それぞれの問題を共有すると

全く違う地域でも、問題の構造がとても似ているんです。

それで、こうしたらもっとうまくいくんじゃないか、

うちの民族ではこんな取り組みをしたらうまくいったよ、と

知恵を出し合うんです。

その他にも、国連やその他の国際機関とどう連携していけるかなども

話し合ったりします。

 

会議に参加している人との情報交換もとても役立ちます。

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例えば、マイク・タイソンが顔に

マオリ民族の伝統のタトゥーを入れたように、

マオリの伝統の模様がブームになって、

今もファッショナブルなものとして

扱われています。

 

でも、マオリ民族の長年の知恵であり

知的財産である伝統的な模様を、

誰もが勝手に使用してもいいんでしょうか。

勝手に模倣されてもいいんでしょうか。

 

マオリの伝統をたくさんの人に

知ってもらって広げたいという面もあれば、

逆に、自分たちの伝統の模様を

許可なく勝手に使って欲しくない、

許可を受けてから、模様の使用料を

払ってからにしてほしいという面があって、

そのバランス加減が難しいんです。

マオリの人たちは、試行錯誤しながら、

模様の中でも、自由な利用を許す範囲と知

的財産として守る範囲を決めて、

線引きをして取り組んでいます。

 

こういった他の先住民族の人の

取り組みを知ることで、

アイヌや琉球の人たちの取り組みの

ヒントや刺激になることも多いです。

 

私は、ロースクールで知的財産を専攻していたので

先住民族と知的財産というトピックにもとても興味があります。

 

今後も積極的に関わっていけたらと思っています。

27歳アメリカで出産、子育て、新しい目標に向かって挑戦中

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― 今は国際結婚されていますが、国際離婚のトラブルについて、もっと日本人の方の助けになるようなこともされたいんですよね。
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はい、国際家事の分野でも

頼りにしてもらえるような存在になりたいです。

 

国際離婚をして悩む女性って

本当に多いんです。

 

去年、研修を受けた弁護士事務所に

世界中から相談の電話が来るのを見て

感じました。

 

やっぱり外国と日本の法律を両方知っていて、

日本語と英語が話せる弁護士って

多くないと思うんです。

 

そういう意味でも

困っている人は多いのに、

頼れる人が少ない分野には、

必要性を感じますし、

そういう分野で活動していきたいと

思ってます。

 

まずはアメリカで悩んでる日本人の方の

力になりたいので

自分を見つけてもらうためのHPを

つくってみようと思っています。

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― 国際離婚の問題ってそんなにたくさんあるもんなんですか?
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国際結婚も増えているので、国際離婚も増えています。

 

離婚するときに、

親権がどちらにいくかとか、

子供をどこで育てて、

どうやって一緒に暮らしていない親と関係を保っていくかが

結構問題になっています。

日本でも同じ問題がありますが、

国をまたぐと、ただ会うだけでも、

お金も時間もかかりますよね。

 

海外できちんとした情報が得られずに、

日本に勝手に子供を連れて帰ってきてしまって

トラブルになっている日本人のお母さんってたくさんいるんです。

 

最近、日本は、子の連れ去りについて定めたハーグ条約に加盟して、

今年の4月から施行されました。

子供を育てていた国できちんと離婚や親権の手続を経ないで

勝手に日本に子供を連れて帰ってしまうと、

手続が終わるまで、子どもが元の国に連れ戻されてしまいます。

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― 子供が連れ戻されてしまうって大変じゃないですか。
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そうなんです。

だから、日本人のお母さんたちが

きちんと子供が育った国、例えばアメリカで

離婚や親権の手続きができるように、

私もお手伝いできればいいなと思っています。

 

日本と違ってアメリカは

男性も育児に積極的に関わる文化なので、

親権を主張するお父さんが多いんです。

日本とアメリカは法律も違いますが、

文化や価値観、家族観も違うので、

そういった中で、子供にとってベストな道を

話し合うお手伝いができたら嬉しいです。

 

実際にアメリカで離婚のときにもめたら

夫婦それぞれ弁護士をたてないと

いけないですし、そうなってくると、

アメリカの弁護士を雇って、

難しい法律用語のやりとりを英語ですることになるので

日本人女性にとっては大変厳しい状況に

なります。

 

ニューヨークのような日本人コミュニティが

しっかりしてるところは別ですが、

アラバマのような田舎では日本語で

法律サービスを受けるのはかなり厳しい。

 

なので、せっかくアラバマに来ることになったので、

周りに日本人がほとんどいない地域に住む

日本人のお母さんたちの相談にも

乗れるよう、頑張っていきたいと思います。

まず、私の存在を知ってもらわないといけないんですが、

HPを立ち上げる以外にどうしたらいいかなと迷っていて、

アイデア募集中です。(笑)

野望将来の夢を教えてください。

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人の役に立ちたい、これに尽きます。

 

生き方人の役に立ちながら生きれたら、形態は問わず、幸せだなと思います。

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人の役に立ちながら生きれたら、

形態は問わず、幸せだなと思います。

「猪子さんがいて助かりました。ありがとうございました。」という言葉を

聞けると、あー生きててよかったと、

生きがいを感じるんです、私。

 

そんな言葉をたくさん聞けるように、

専門性も磨いて活動範囲も広げていきたいです。

贈る言葉挑戦するみなさん、一緒にがんばりましょう!

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私がこれまでの挑戦の中で勇気をもらった

格言を2つご紹介したいと思います。

 

“Failure seldom stops you. What stops you is the fear of failure.” – Jack Lemmon
あなたを止めるのは、失敗そのものじゃなくて、失敗に対する恐れだよ。


”Remember the two benefits of failure. First, if you do fail, you learn what doesn’t work; and second, the failure gives you the opportunity to try a new approach.”—–Roger Von Oech

失敗には二つの利益があることを覚えておいて。ひとつめ。失敗すると、何がうまくいかないのかがわかる。ふたつめ。失敗は、新たなアプローチを試す機会を与えてくれる。

 

要は、失敗を恐れずにやってみて、ということです。

失敗しても、あきらめずに挑戦し続けることで、

目指しているものに近づいていけるんじゃないかと思います。

 

これは、今の私のこれからの挑戦にも言えることなので、自分への激励も込めて。

私も、けっこう臆病なところがあるのですが、失敗を恐れずがんばります。

挑戦するみなさん、一緒にがんばりましょう!

Akiyo Inoko Hewett - 法律家/ 国際結婚

海外飛び出し年齢:26歳(

アラバマ(在住経験地:, ,

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BIOGRAPHY

    • 00歳愛知県に生まれる
    • 18歳東京外国語大学チェコ語科入学。アメリカ人の夫と知り合う。模擬国連サークル、国際法ゼミに打ち込む。休みは長期で海外に。
    • 22歳同大学卒業。慶應大学ロースクール(未修コース)入学/遠距離恋愛をしながら法律の勉強。
    • 25歳ロースクール修了。司法試験合格。結婚
    • 26歳北海道釧路市で司法修習。修了後、渡米。
    • 27歳アメリカで出産、子育て。新しい目標に向かって挑戦中
 
 

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