服部夏子(Natsuko Hattori) - Moco Moco Sculptor
モコモコの家に住んでみたい
ソフトスカルプチャーという分野でニューヨークで個展を開催する、服部夏子さん。 一つの作品に20万以上の値段がつく彼女のアートはお手玉のような球体を繋ぎ合わせて創る独創的な作品だ。 日本ではずっと絵を描き、数々の賞を受賞していた彼女。そんな彼女がニューヨークに来て絵をやめ、ソフトスカルプチャーを始めた理由はなんだったのか。 人に与える緩キャラな印象からは想像できない熱くて太い信念をつらぬく、彼女の生き方をLIVE!
対談者:Dragon
挑戦者ハラちゃん(女性官僚)の紹介。すごくマイペースでおっとりしている印象を受けたけど、やってることめちゃすごかった。すごく純粋でまっすぐで挑戦し続ける彼女は、完全なる挑戦者!
23歳渡米。The Art Students League of New Yorkに
― なんでニューヨークにいきたいと思ったの?
やっぱりアートはニューヨーク。
高校のときからずっといくって決めてました。
大学に入学したときは
入学できたことが嬉しくて一瞬忘れてましたけど。w
でも大学4年になって
またニューヨークいきたいって思いました。
それで卒業して3日後に来ました。
― なんでニューヨークにいきたいと思ったの?
私がやってるのは現代アートなんですけど、
日本ではあまり理解が深くないんです。
大学のときも、
真っ白な絵の中に、赤い唇を書いたら、
遊ぶな、って言われたり、
これを書いた理由とかプロセスとかを聞かれて、
「そんなんじゃない」って思ってたりしました。
絵を、純粋に見て欲しい、って思った。
そういう意味でもニューヨークの方が
現代アートに対する理解はあると思います。
― なんでニューヨークにいきたいと思ったの?
そうですね。
ニューヨークの方がみんな本気な気がします。
死ぬ気でやってる人が多い。
日本で話をしてても
どうやって金にしようかとか、
絵が売れて食べていけらいいって
話が多かったですね。
私の周りがたまたまそうだったのかもしれませんが。
もちろんニューヨークにも
ただ遊びで来ている人はいますし、
大きく別れると思いますけど、
本気でやってる人はいっぱいいますね。
23歳渡米。The Art Students League of New Yorkに
― ― 昔からずっとソフトスカルプチャーを創ってたの?
ニューヨークに来てからです。
最初は絵を描いていました。
― ― 絵はいつから書いてたん?
小さいとき病気で入院していたときがあって
その時にうまく感情が言葉にできなくて
絵に描いてたんです。
すごく悲しい泣いているような絵を。
それを時がたって
お父さんに見せてもらったんです。
そのときにその絵をみて、
自分は絵をかくんだって
なんとなく思いました。
それから中学、高校、大学と
ずっと絵を描いていました。
― ― どんな絵を描いてたん?
けっこう暗いですよ。w
女性の顔の絵で
皮膚が変になってたりとか。
― なんでそんな絵を?w
初めからそういう絵を書こうと
思ってたわけじゃないんですけど
書いてうちにそうな感じになるんです。
たぶんストレス発散のために
書いてたってのもあるんだと思います。w
― 大学は作品が評価されて入学できたんだよね?絵はずっと習ってたの?
高校はふつーの学校だったんですけど、
学校が終わってから絵を習いにいってました。
そのときにけっこう賞とか頂いて
大学には、絵の試験だけで入学しました。
― なんで絵からソフトスカルプチャーに?
限界を感じたんです。
今まで絵を描くなかで、
うまい人もいっぱい見てきました。
絵で表現できることにも限界が
あるなって感じるようになってましたし。
そんなときにモコモコに出会って。
理由をいうと気持ち悪いって
いわれそうなんですけどw
もともと人にすごく近いもので
何かをつくりたいって思ってたんです。
それで考えてたら、布だって思って。
衣類とか常に近くにあるじゃないですか。
それである日クリスマスのときに
ツリーの雪の綿を見て、
その綿を布で包んで創ってみたんです。
人のカタチをしてるものとか
いろんなものを創ってみたら
すごくかわいいのができて。
そこからです。w
モコモコかわいいんですよーw
なんか平面でしわのない布が
綿をくるんでまるめると
しわくちゃになるじゃないですか
それがめちゃくちゃかわいいんです。w
めっちゃ好きです。超かわいい。
24歳"The Student Concurs-Mixed Media" The Art Students League of New York 最優秀賞に選ばれる。
はい。
でも買ってもらえたときは
すごく嬉しいんですけど、
もう自分の子どもみたいに思ってるんで
すごく寂しい感じもします。
― 80人以上いる生徒の中から最優秀になったのもモコモコでしょ?2000㌦以上で売れたりもするんでしょ?
はい。
でも買ってもらえたときは
すごく嬉しいんですけど、
もう自分の子どもみたいに思ってるんで
すごく寂しい感じもします。
― 大きいモコモコもあるよね?創るのにどれくらいかかるの?
2メール以上あるやつは
3ヶ月くらいかかったりします。
もうずっと家でモコモコ創ってばっかりですよ。
夜の2時くらい、
遅い時は4時くらいまでつくってます。
― 家もモコモコだらけなんだよね、もうモコモコなんてみたくないって壁に投げつけたりしたことないの?
ずっと同じ色の作品をつくっているときは
あーってなるときもありますけど、
投げつけたことは一度もないですw
― 誰かがモコモコ投げつけたら怒る?!
めっちゃ怒ると思います。w
そうですね。
お金を払えばできるんですけど、
チェルシーとかだと3000㌦以上するんです。
それにそれだとギャラリーの人や
アーティストの人からの
印象もよくありません。
やっぱり紹介とか推薦、
あとはコンペがいいですね。
― 展示会来た人にどう思ってもらえると嬉しい?
私はもっとアートを
身近なものにしたいんです。
音楽ってすごく身近じゃないですか。
音楽を聞いてその振動が伝わって心に響く。
アートもそんな身近なものにしたくて
展示会にきてくださった方には
ぜひ触ってくださいっていうんです。
触ってみて、笑顔になってもえたらり、
やさしい気持ちになって
もらえるとすごく嬉しい。
お客さんに、
やさしい気持ちになれました、とか
癒されました、って言われることが
よくあるんですけど本当に嬉しいです。
こないだ子どもが、これ好きって
いてくれたんです。すごく嬉しかった。
25歳ニューヨークに舞い戻る
― そっこからまたニューヨークに戻ってきたんだ。
日本に帰国していた間は
福岡の実家にいたんです。
このまま地元に住んで
素敵な家族をもって幸せに過ごすのも
いいかもって一瞬思ったこともありました。
けど一瞬でした。w
自分には無理だって思って
ニューヨークに帰ってきました。
もっともっと上を目指したいです。
― 好きなことできたらそれだけで幸せって人もいるけど もっともっと上を目指したいんだ。
うーん
好きなことやって生きていくって
簡単なことじゃないと思うんです。
それに周りに私を応援してくれる人達がいて、
私はその人達に何もできないけど、
私が成長していくことで喜んでもらえたら
嬉しいなって思ってます。
野望モコモコの家に住んでみたい
将来、MoMa、グッケンハイムで
展示出来るくらいの実力をつけて、
日本の現代アーティストと言えば、
Natsuko Hattoriって言われるようになりたいです。
挑戦したいモコモコの作品も、いっぱいあります。
例えば、空にぷかぷか浮かぶモコモコ作品や、
モコモコがキラキラ光って川に流れている作品、
次、どんな作品作る考えるだけで、わくわくします。
きっと、とても綺麗で、可愛い作品が出来ると思います。
あと、モコモコの家にも住んでみたいです。
もっと、実力を付けて、
もこもこを世界中に広めて、
見てくれた人が、柔らかくて暖かい
生き方自分の気持ちに素直に行動して生きていきたい
いつも、前向きでいたい。
なにか嫌なことがあったら、
それをバネに頑張れる強い女性アーティストでいたい。
悩みや不安は、行動しながら、
進みながら考えればいいと思ってる。
やりたいことがあるんだったら、
いつも自分の気持ちに素直に
行動して生きていきたいです。
やりたいこと、やらないで後悔しないように。
贈る言葉やってみて決めればいい
行ってみたらいいと思う。
行ってから決めればいい。
私はやらないで後悔するのは嫌だから、
まずはやってみる。
もしダメだったら帰ればいいし。
やってみて決めればいい、
そう思います。
今後の挑戦
BIOGRAPHY
- 00歳福岡県で生まれる
- 03歳ピアノを習い始める
- 09歳ポーランド国立クラクフ室内管弦楽団共演
- 09歳油絵を習い始める
- 10歳剣道を習い始める
- 17歳46回北九州美術家連盟展毎日新聞社賞受賞
- 17歳第15回青木繁記念大賞展に最年少入選
- 18歳第47回北九州美術家連盟展 入選
- 18歳第39回西日本美術展 入選
- 18歳玉竜旗高校剣道大会に3年連続出場
- 18歳剣道部主将と部長を勤める
- 19歳第62回福岡県展 入選
- 19歳第17回青木繁記念大賞展 入選
- 19歳西南女学院高等学校卒業
- 21歳第1回青木繁記念大賞西日本美術展 入選
- 22歳筑波大学芸術専門学群洋画専攻卒業
- 23歳卒業3日後に単身渡米。
- 23歳The Art Students League of New YorkでMix Media専攻
- 23歳Moco Moco Sculptureを作り始める
- 23歳“The Student Concurs-Mixed Media”The Art Students League of New York 優秀作品に選ばれる
- 23歳"WE ARE ONE Japan Earthquake and Nuclear Crisis Relief Exhibition" GALLEY61で震災への展示
- 23歳"ART FOR JAPAN A New York City Artist Benefit" STUDIO 57で震災への展示
- 23歳"ISE CULTURAL FOUNDATION Art Student Exhibition in NY 2011"ISE CULTURAL FOUNDATIONで展示
- 23歳"Joy" Grace Instituteで展示
- 24歳"The Student Concurs-Mixed Media" The Art Students League of New York 最優秀賞に選ばれる
- 24歳"The Grand Harvest " The 16th Anniversary Grand Harvest Emerging Artist賞を受賞
- 24歳WAH Center, NY "J_ART 2nd" WAH Center, NYで展示
- 24歳"Spring Three Person Show" Caelum Gallery, NYで展示
- 24歳"Spring Fling!" WAH Center, NYで展示
- 25歳退学処分、日本へ帰国。
- 25歳ニューヨークに舞い戻る
- 25歳"14th Annual WAH Salon Art Club Show" WAH Center, NYで展示
- 25歳"Natsuko Hattori Solo Exhibition" JaNet 会館, NYで個展
- 25歳"Apple Juice 13 Varieties: A Grope Show" Gallery @ Be Fluent, NYで展示
- 25歳"J_Art_3rd" WAH Center, NYで展示
- 25歳"The Grand Harvest" WAH Center, NYで展示
- 25歳"Natsuko Hattori Solo Exhibition" Berkeley college, NYで個展
- 25歳Printed Matterのショーウィンドウディスプレイ
- 25歳 “A special Exhibit in Celebration of Asian Heritage Month” Berkeley college, NYで展示
- 2030 MoMa、グッケンハイム等 で展示する。 日本の現代アーティストと言えば、Natsuko Hattoriって言われるようになる。