バイトで夢を見失うニューヨーカー
タバコが減った。
今日朝のランニングで、
ふとタバコの匂いを嗅いで思った。
ニューヨークタバコ吸う消えたなと。
僕がNYに来た2011年の頃は、
日本とは逆で、
屋内ではほとんど吸えないが、
外ではどこでも吸えるという環境だった。
なので道を歩けばタバコを吸ってる人だらけで、
そんな様子に特に違和感もなかった。
なぜなら当時は僕も吸っていた。
だが今は本当に見ない。
当時からタバコは15ドルほどしたので、
値段が変わったことが要因ではない。
やはりイメージの変化だ。
タバコをやめた僕も、
正直タバコの匂いは今は苦手、
できるだけ吸いたくないってイメージになっている。
The smoking rate for all New York City residents also dropped significantly from 16.2 percent in 2011 to 11.5 percent in 2016.
実際、僕がニューヨークにきた2011年から
2016年までの間にNYCの喫煙率は16%から11%に下がっている。
今は10%切ってるのかもしれない。
そんな今朝タバコの匂いを嗅いで思った。
世界はこうやって分断していくのかと。
僕の最近の日課は、
朝3時に起きて朝6時からランニング40分。
これを毎日続けていると
毎日同じような群衆に出くわすようになる。
朝6時過ぎにブルックリンから
船でマンハッタンに出勤で上陸する人々。結構いる!
同じ時間に海側で犬の散歩をしてるコミュニティ。
高架下でトレーニングするボクサーなど。
そしてこの中で注目したのは
一番最初の船で上陸している労働者たちだ。
6時に上陸したということは、
少なく見積もっても、4~5時起き。
そんな時間から誰も普通働きたくない。
しかもコロナ下で時間はゆるくなってる時期だ。
面白いのはそんな人達の中に喫煙者が多いことだ。
そこでピンと来た。
目の前のことしか考えてないとそうなるんだな。
誤解を恐れずに言えば、
今の世界の中でタバコを吸ってる人というのは、
はっきりいって遅れている。
それは健康もそうだが、大事なのは時代感だ。
もうタバコを吸ってかっこいいの時代でもなければ、
タバコを吸うことでのマイナスの印象は計り知れない。
つまり長期的に考えれば吸わない方がいいのは明確。
だがそういう人にとっては長期的な視点は関係ない。
時代を読むことより目の前のストレス発散、目の前の仕事、
そういう短期的な思考が習慣化されているのではないか。
だから誰もやりたくない早朝の仕事をしなければならない、
そして給料は後から出勤してくる
Wall街の人たちの10分の1でも、
15ドルのタバコがやめられない
そんな状況になってるのではないか。
もちろん言うまでもなく、
これは全ての人に当てはまる訳ではない。
だが間違いなく関連性は見いだせるだろう。
ニューヨークでよく起きるのは、
飲食店でバイトをして夢を見失う人たちだ。
好きなことで食っていくのは並大抵のことではない。
海外ならなおさらだ。アーティストの人がなかなか食えず、
バイトを始める。アメリカはチップがあるので給料がいい。
そのままバイトを3年、5年と続け、
いつしかアーティスト活動をやめ、不法滞在になっていく。
悲しいことだがこれはNYでよくあることだ。
根本的な理由はタバコと近い。
視点が短期なのだ。
目の前の欲望に翻弄されず、
目の前の誘惑に流されず、
何より目の前の甘えた環境に妥協せず、
一歩つずまっすぐ進んで行きたい。