なぜ日本人がアメリカで戦えないのか

よくアメリカで働いたことがない日本人が、

アメリカにいる日本人の悪口を言ってると聞く。

「アメリカにいる日本人は日本人から搾取している、ハイエナだ」

「アメリカにいる日本人は仕事が雑だ。」

「仕事もアメリカンナイズされてしまっている」

悲しいかな、これは半分正解で半分不正解だ。

まず第一にアメリカで日本人がビジネスするのは

めちゃくちゃハードルが高い。

それはまず3種の神器がないからだ。

・ビザ

・コネ

・言語

これが全部0どころか

マイナスからのスタート。

さらにこれに加え、

・交渉力ない

・文化知らない

・土地勘知らない

これではビジネスが成り立たない。

だから日本人としか商売ができない企業が多いのは事実。

さらに日本にいる日本人からしても、

海外でアメリカ人と張り合う度胸はないので、

数少ない現地の日本人に仕事を依頼する。

ちなみにNY市は日本人2万人だ。

となれば需給に対して供給が少ないので、

仕事の単価は日本より上がる。

これをハイエナと呼ぶ人がいる、らしい。

まぁ同じ日本人のことをそう呼ぶ時点で、

その人はハイエナよりは確実に格下だと思うが、

これからアメリカで仕事をしたい日本人たちは

アメリカと日本の違いをまず理解しないといけない。

それはアメリカは日本みたいに、

白黒の世界ではないってことだ。

ここアメリカは”グレーの世界”である。

幸い僕の会社は売上の90%以上はアメリカ人からだ。

そこで現地で10年仕事をしていて思うのは、

この世界に、”正しい”とか”きっちり”といった言葉はない。

正しさ、

はプレゼンと交渉次第でどうにもなり。

法律すらすぐに変わっていく。

たとえ法律を破っても、

裁判でどうにかなったりする。

きっちり、

時間通りに進むことはない、

きっちり約束が守られることもない、

プロセスより最後の結果が全てなのだ。

そう、ここは、

白が20%、黒が20%だとしたら、

間のグレーが80%の国だ。

グレーの国アメリカ

そのグレーの80%を訴訟や交渉、プレゼンなどで、

白なのか黒なのか奪いあっているのが

ここアメリカだ。

そんな国相手に、日本から、

「白黒はっきりさせてください」

って言っても解決するわけがない。

日本は裁判はあまり身近じゃないが、

アメリカは年間4000万件!

の裁判が起きているのだ。

ここは戦いの国なのだ。

ここでは自分で戦って白を

もぎ取って行かなければならない。

日本と違ってこの国ではプロセスは全く評価されない。

失言してすぐに辞職する日本の政治家と違い。

この国では3回倒産しても2回離婚しても大統領になれる国なのだ。

日本からアメリカで仕事をしたいなら、

自分で切り開ければ良い。

それが無理なら現地の日本人に頼れば良い。

その時は日本のルールを押し付けるのではなく、

アメリカのルールを理解してあげようと努めてあげることだ。

同じ日本人、

仲間なんだから。