危機に英雄は現れる
今日でニューヨークはロックダウンから丸3ヶ月がたった。
この怒涛の3ヶ月をスーパーざっくり振り返って見ると、
・1ヶ月ロックダウンだと言われる
・1ヶ月伸びると言われる
・さらに1ヶ月伸びると言われる
・デモが起こり更なる自宅待機要請がでる
とこんな感じでなし崩し的に
期間は伸び僕らはこの状況に慣れていった。
3月のロックダウンスタート時点では
「これが3ヶ月続いた終わる」
といってた僕の周りの人たちも、
今はその3ヶ月が立ったが、彼らは無事生き延びられている。
そこで思った、
もし最初の時点で3ヶ月ロックダウンします。
と宣言されてたらニューヨークはどうなっていたのだろうか。
3ヶ月続いたら終わると思ってた人は、
ニューヨークから出て行ったかもしれない。
もっと大きなデモが起きていたかもしれない。
倒産する会社もたくさんいただろう。
それが良かったのか悪かったのかは、
立場と時間軸によって変わるので置いとくとして
この、なし崩し (物事を少しずつ変えていくこと、徐々に変えていってそのまま始末してしまうこと)
の恐ろしいパワーを僕らはここで学んだ方がいい。
人はいきなり大きなチェンジを求められれば、
反発するが、少しずつなら慣れてしまう。
前にこのブログでゆでガエルの話を書いたけどまさに一緒の話だ。
「カエルは、いきなり熱湯に入れると驚いて逃げ出すが、常温の水に入れて徐々に水温を上げていくと逃げ出すタイミングを失い、最後には死んでしまう」
これって世の中でたくさん起こってて
特にビジネスの場面では頻繁に起こりうる。
最初は10万くらいの小さな見積もりだったのが、
気づけば100万を超える見積もりになっていた。
待ち合わせに10分遅れると言われたのに、
あと10分あと10分を繰り返され結局1時間待たされた。
と誰にでも似たような経験があると思う。
ここで大事なのは、
最初から見積もりが100万と言われてたらどうだったろうか
最初から1時間遅れると言われたらそもそも待っただろうか
ってことだ。
僕はニューヨークに来たことで、
世の中にはこれを意図的に
仕掛けてきてる人がたくさんいるということを知った。
10年前、典型的な日本人だった僕は
待ち合わせに20分遅れそうだったら
相手のことを考え30分と言っていた。
でも多くの外国人はこういった状況で
5分、10分と短めに言うことに気づいた。
結果、彼らは待たせながらも
見事に相手に会うことができ、
仕事につなげたりしていた。
もしこのロックダウンも、
最初に3ヶ月と言われてたら
すぐに鍋から飛び出した人がいたかもしれない。
でも僕らは徐々に慣れさされていった。
たとえもう1ヶ月伸びたところで
もう誰も文句を言わないだろう。
人間の最大の能力は、
忘れること、そして慣れることだ。
それを理解していれば、
意図的に仕掛けられている時にも気づくことができる。
時には何かの結果を得るために仕掛けることもできる。
誠実であることは一番大事なことだ、
でもそれはなんでもかんでも
ありのままを話せばいいってことではない。
そんなことしたらニューヨークも世界も
今頃もっと混沌としていただろう。
綺麗事じゃ守りたいものも守れない
リーダーはポエムを言うことが仕事じゃない。
みんなを守るために時には嫌われようともやるべきことをやる。
時には全体の結果を得るために、
ありのままを伝えないってこともあるだろう。
そういうリーダーとしての言動、振る舞いに注目して
今の世界情勢を見ると学べることがたくさんある。
危機に英雄は現れる。
今は世界からリーダーシップを学べるとてもいい機会だ。